ご挨拶

皆さま,多文化間精神医学会ホームページにようこそいらっしゃいました。

多文化間精神医学が設立され、すでに22年が経ちました。2013年9月発行の多文化間精神医学会の学会誌「こころと文化」に多文化間精神医学会20年の歩み:思えば遥かに、という特集が組まれています。比較的最近まで耳慣れなかったこの言葉も、難民、国際結婚者、外国人労働者、外国人技能実習生、留学生など、グローバル化に伴ってさまざまな民族が日本と外国を行き来する時代に代わり、よく耳にするようになりました。さらに2020年の東京オリンピックに向かって、観光客を含めた外国人の急増が予想され、この分野が精神医学の重要な一分野になろうとしています。このホームページをご覧いただくことで、私たちの活動がお分かりただけるかと思います。

以下に簡単に多文化間精神医学会をご説明します。

1. 多文化間精神医学とはなにか?

英語のTranscultural Psychiatryを邦訳したものです。

多くの文化の間に生じる精神医学的問題を扱う学問であり、臨床的実践分野です。いわば文化と文化を跨ぐ(トランスする)精神医学ということです。そういう精神医学の性格から、人類学(文化人類学、医療人類学)、民族学、社会学などとも学際的連携を保っています。

2. 多文化間精神医学会の誕生

1993年にこの学会は発足しました。1980年代から90年代にかけて、日本の各地に、インドシナ難民、中国帰国者、外国人花嫁、外国人労働者といった新しい人たちが増えはじめ、その人々の中には文化と適応の問題に悩む人も少なくありませんでした。また、日本人の海外進出も活発となり、海外で心悩む人も大幅に増えました。こういう文化とこころという領域に興味を持つ精神科医、臨床心理士、精神保健専門家、教育関係の人々があつまり作り上げたのが多文化間精神医学会です。

3. 多文化間精神医学会の活動

多文化間精神医学会の活動にはおおきな2つの柱があります。

 

(1)学問・研究/啓発活動

これまでは、年に各一回「学会」と「ワークショップ」が開催されていましたが、今後は年一回開催される「学会」と、年二、三回開催される研修会が研究と啓発活動の中心になる予定です。これまでの学会やイベントの詳細はこのホームページ上に掲載してありますのでご覧ください。 また、学会の機関誌として「こころと文化」を年2回発行しています。そのバックナンバー紹介もこのホームページに載せてあります。学会員の活発な投稿を歓迎し、こころと文化に関する熱い議論が交わされることを期待しています。

(2)地域活動

多文化間精神医学会の研究対象は、難民、国際結婚者、外国人労働者、留学生であったり、海外に住む日本人であったりします。この人たちは同時にメンタルヘルス上の支援を必要としている場合も多く、その活動を抜きに学問研究を進めるわけにはいきません。そこで当学会には「外国人支援委員」、「在留邦人支援委員会」、「多文化臨床・研究委員会」などの委員会があり活発に活動を続けています。

簡単ですが、以上が多文化間精神医学会の簡単なプロフィールです。私たちの学会活動にご興味をお持ちの専門家の方は、どうぞ私たちとともに研究や活動に参加なさってください。歓迎いたします。

2016年1月

多文化間精神医学会理事長 阿部 裕

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